日記「相撲沼へようこそ!」松浦すみれ

3月中旬、ついに念願叶って、大相撲観戦の機会を得た!

振り返れば高校時代から興味があり、いつか沼ることは間違いないと確信しながらも、その時を先延ばしにしてきた。近年、いよいよテレビ中継を観だして我慢ならなくなり、にわかに推しの力士もでき、そして…時は満ちてしまった。

当日は、京都の日本酒バーでお世話になっている相撲ファンの先輩方相撲のガチマニアのアメリカ人・Jさんの3人と難波で合流。

超入門者の私は皆さんにご指南いただきつつ、春場所の会場・エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)へと向かった。

正午くらいに会場近くに到着。
まずは皆で腹ごしらえと、会場近くで人気の天ぷらやさんへ。
揚げたての天ぷら定食とビールで乾杯。
店内には、大相撲協会の方々もいて、きっと巡業中にはしょっちゅう通われているんだろう、店の大将と親しく話されていた。
天ぷらと相撲…なんかもう、それだけでお江戸な雰囲気がたまらん。

チケットを握り締め、いよいよ会場入り口に立ち、興奮がとまらない。

今日の取組表、よく見たら全部手書きなの!? この後も会場内で「テッポウ厳禁」など、手書きの注意書きを沢山見かけた。

調べると、この伝統の相撲字行司さんが代々受け継いで書いているという。
そういう細部に至るまで、いちいち見逃せないんだから、もう!

場内へと進むと、気になる赤提灯の並び。

これがいわゆる「相撲茶屋」と知る。
チケットの手配から当日の案内までお世話するという伝統の大相撲案内所である。

歴史を遡れば、江戸時代後期から始まり、弁当や飲み物などの注文を承っていたという。
法被に袴姿がこれまた粋だねぇ。

廊下には豪華な優勝トロフィーなどの展示。

どれも大きく立派だが、優勝力士が持つと、きっと小さくみえるんだろうなぁ。

奥に見える黄緑の球体はマカロンを模した、日仏友好杯

たまたまテレビでこれが授与されるのを観たが、これが土俵に登場した時、シュールな画だったなぁ。

そしてついに、席へと着いた。

4人で座るマス席である。
向かい側が正面席となり、ちょうど土俵を見下ろす位置にテレビの中継席が見える。

ここでみっちり夕方まで、キッチキチに座って観戦する。この席では飲食自由、アルコールもOK!

というわけでさっそく日本酒で乾杯し、ゆるゆると観戦しはじめた。

初めて観る土俵の迫力。力士たちの気迫。
まだ客席がまばらな幕下取組だったが、すでに会場には熱がこもっていた。

14時を過ぎ、ようやく化粧廻し姿の十両力士が土俵入りすると、会場も活気に満ちてきた。

そもそも相撲の取組は、午前9時頃から始まる。入門したての新弟子が取る相撲から始まり、下の番付から序ノ口幕下(関取未満の番付)となり、14時半過ぎから、十両(関取以上の番付)の取組がはじまる。そして15時過ぎにようやく幕内土俵入り、横綱の土俵入りとなるのだ。

番付については、ナイツ・塙さんの動画が明快でわかりやすかったのでオススメ!→ 相撲大好きナイツ塙が徹底解説!番付って何?

相撲界では一人前とみなされるのは十両からと言われている。

そうした関取以上(十両〜横綱)の番付になると、(まげ)に大銀杏を結える/紋付の羽織袴を着れる/白足袋に雪駄を履ける/控えの座布団を敷ける、ということが許されるそう。
さらに細かな番付ごとにも、雪駄、下駄、足袋、素足など細かな違いと決まりがある。
一緒に行った先輩方は普段の足元を見れば、だいたい見分けられるという。いつか私もその域に達したい…。

会場では、いよいよ幕内の土俵入りとなった。
すでに、4合瓶3本が空になっていた。酔っている暇などない。
人気力士たちの登場に場内はおおいに湧き、迫力ある取組が始まった。

どれもこれも上げるとキリがないが、この日のハイライトは、やはり大躍進の新星2人の取組だろう。

まずは、まだ新入幕力士にも関わらず連日連勝をあげる尊富士である。
この日なんと11連勝の快挙!
それも64年前の初場所で昭和の大横綱・大鵬が成し遂げた記録と並んだのだ。

奇しくも初観戦で、伝説の目撃者となった。

感動で震える。

(写真は取組直前の土俵、右が尊富士。)

そしてこの日の結びの一番(最後の取組)に登場したのは大の里
まだちょん髷どころか、ざんばら髪で髷も結っていない姿がなんとも新鮮だが、その体格の大きさと迫力あるオーラに、おそれおののいた。

土俵に上がった若武者は、恐ろしい気迫で迫り、この日も大関から白星を勝ち取った。

大関・貴景勝に挑む、勇ましい後ろ姿が目に焼き付いている。

お土産にも費やしちゃった。
大相撲グッズ、どれも機能的で可愛すぎる。
特に今場所、会場となった大阪出身の力士〝宇良ちゃん〟の活躍もめざましく、会場では一番人気。彼のピンクの廻しにならって掲げられたピンクのタオルが、大歓声と共に会場を揺らしていた。宇良ちゃんグッズは早くも売り切れ続出だそう。姿見のタオル、買っておいて良かった。

帰ってからも、とうてい熱冷めやらず。
夕下がり、大相撲中継を見ながら、お酒を傾ける楽しみを知ってしまい…。
もう昭和のお父さんじゃん!

いよいよ明日は千秋楽で、また新たな伝説が刻まれるやも…?! 気が気ではない。
みんなも一緒に、大相撲中継観ようぜ!
*興味ある方は、ぜひ日本酒相撲協会の公式サイトを覗いてみてね。

すみれ

〈追記〉尊富士が見事、優勝したぞ〜!!!実に110年ぶりの新入幕での優勝。大の里の活躍も凄かったし、これからが楽しみすぎますぞ。次の本場所はサバイブにわか相撲部で一緒に呑みながら見たい!

あさい

すみれさんに教えてもらって相撲をみはじめたよ。千秋楽での尊富士の笑顔、親方のうるうる表情を見て感動しちゃった。「伊勢ヶ濱部屋ホームページ」の力士紹介も面白いし、相撲に、力士にハマりそう!にわか相撲部の集まり楽しみ〜!

さくら

今場所見ればよかったな〜。東京では両国まで徒歩5分の場所に住んでいたので、国技館に何度か観に行ってました(地下で振る舞われるちゃんこがおいしい)。ちゃんこ屋さんもよく食べに行ってた!お相撲さんってかっこいいですよね〜〜。地元での巡業で目の前にお尻がきて(カッケー!という意味で)めちゃくちゃ興奮した思い出。私も久しぶりに観てみようかな。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ルポ&イラストレーター。京都生まれ。淡い水彩画に文章を綴ったイラストエッセイなど、新聞連載をはじめ、雑誌・WEB等に寄稿。京都の〝お酒の神様〟を祀る神社にて巫女として奉職後、現職。著書に、酒蔵を巡り取材した「日本酒ガールの関西ほろ酔い蔵さんぽ」(2015コトコト刊)。日本酒にまつわる講座やイベント、ラベル制作などに携わる。現在、湖北と京都の二拠点生活。

目次