勝手にイカレビュー#06 「OVER THE SUN」からの『SEX and the CITY』

2年ほど前にイカメンバーに教えてもらって最近ハマって聴いているラジオがある。
TBSラジオ『ジェーン・スーと堀井美香の「OVER THE SUN」』だ。
「勝手にいかレビュー#1」でも船崎桜さんが書いているのでぜひ読んでほしい。)

これは最初から聴いてみたいと思いEp.1から聴き始めて、Ep.23に辿り着いた。
その時のタイトルは『2021年にして、昨日のことのように「Sex and the City」を語る会』だ。

1998年頃に放送されはじめたらしいので、私はまだ小学生。
チラッと観た記憶はあり、ハイブランドなものを見にまとい、毎夜パーティー、奔放な性生活を謳歌するという別世界のドラマだというイメージで終わってしまっていた。

でもラジオでものすごーく熱く語られていて、興味が湧き、シーズン1〜6を一気観してみた。

こ、これは全女性、しかも現代もバリバリめっちゃ当てはまる、めっちゃ分かるーってやつやないか?!」と、とても満足して観終わったので記録しておこうと思う。
(ラジオで話されている内容とほぼ被るんだけれど、感動した回3つを記録)

ながら観なので記憶違いがあると思います。ご了承ください。
そしてラジオに影響されてラジオと同じ感想になってしまっているのも優しい気持ちでご理解ください。

SEX AND THE CITYとは
ニューヨークで暮らすキャリー、ミランダ、サマンサ、シャーロット4人の日常を描いたドラマ。
職業も性格も恋愛観も違うが、お互い意見を言い合い、尊敬し合い、いろんな恋愛や問題を乗り越えていく。
ニューヨークのセックス・リポートを取材したキャンディス・ブシュネルが書いた赤裸々なコラム『セックスとニューヨーク』が原作である。

目次

シーズン4エピソード2 – 素顔のままで(THE REAL ME)

OVER THE SUN のトークの中でも語られているが、この回はとってもよかった(語彙力、、)
ザクっとあらすじを言うと、プロのモデルに混ざって主人公のライターであるキャリーが下着を履いてランウェイを歩くのだけれど、高いヒールで躓いて思いっりド派手に、「車に轢かれた猫みたい」(実際のセリフ)にこけてしまうが見事に立ち上がるというものだ。

その時のセリフがこれ。
ランウェイから逃げてモデル願望を封印するか、一般人が転んで悪いかと開き直り、最後までやり遂げるか。私は後者を選んだ。なぜなら、普通の人間は人生でつまずいた時、必死に立ち上がって歩かねばならないからだ

もうね、キャリーがとってもかっこよかったし、キャリーの友人たちがすかさず拍手を送る姿がとってもよかった。
転ぶでしまったのは仕方ないし、その時の観客たちの目線が痛いけれど、そこから立ち上がって笑顔でステージを歩く姿に感動した。

それまでにも、プロのモデルの中で一般人が歩くなんて、、って悩んでいるキャリーを勇気ずける友人たちが描かれていて、相手を思って背中を押してくれる友人がいるって素敵だ。
そしてキャリーの立ち上がる姿を見て友人たちも勇気づけられて一歩先へいくのも、お互い刺激しあって人生を歩んでいけていいなーと感じた。

そしてそしてそして!
転んで立ち上がって歩くキャリーのランウェイからのエンディングが最高だ。
Cheryl Lynn の 「Got To Be Real」が流れて、キャリーがファッションショーで着ていたドルガバのキラキラパンツを押し入れに入れて、普段通りの姿で踊る姿が軽やかで気持ちがよかった。

ミランダの予期せぬ妊娠と、シャーロットの不妊

「シーズン4エピソード11 – 女たちの交差点(Coulda, Woulda, Shoulda)」でキャリーがいつも一緒にいる友人4人の中で不穏な空気が流れるシーンがある。
(キャリーの友人4人というのは、ミランダ・シャーロット・サマンサ)
4人が集まっている中ミランダが予期せぬ妊娠をし中絶しようか迷っている相談を、不妊で悩み始めるシャーロットが聞いてしまうのだ。
最終的にはミランダはこの機会を逃したら子供を一生産まないかもしれないと産む決意をし、無事出産。
シャーロットも祝福している。

ミランダが出産後、なかなか思い通りに外に出られず子育ての日々に追われて、友人たちはそのことに気づけず距離ができそうになるのだけれど、そんなことはなかった。
みんなそれぞれミランダのことを気遣い、「子どもを見ているから美容院に行っておいで」と行かせたり子持ちになっても4人の関係は変わらなかった。
どうしても結婚や出産した友人とは少し距離ができてしまうというか、今まで通りの関係ではいられないことがあるだろうと思ったが、既婚者、子持ち、独身者関係なく、それぞれを尊敬し敬える4人の関係は素敵だと思った。

「シーズン6 Ep.12-運命の人を求めて(One)」
4人の友情は変わらずいつも通りの日々は続くのだが、
ミランダはずっと不妊に悩み、夫とも離婚。
別の男性と結婚後、一度妊娠はしたが流産してしまう。
しかも流産の後すぐにミランダの子どもの1歳誕生日パーティーなのだ。
シャーロットがパーティーに参加できる状態じゃないのは皆んな分かっているし、シャーロット抜きでパーティーははじまった。

シャーロットが家でテレビを見ていると、エリザベス・ティラーが画面に映りこう語っていた。

「今こそ底力を見せて 知恵と魅力を」

シャーロットは立ち上がってヘアメイクをし、ドレスに着替えてパーティーへ向かったのだ。
そしてみんなと合流して誕生日を笑顔でお祝いした。

強い、強いよシャーロット。
私は号泣した。

私自身、昔、結婚前に「妊娠しずらい」と医師に言われ、そこから友人たちの結婚・出産ラッシュという時期があった。
心からお祝いはできるが、焦りというか、落ち込んでしまって距離を置きたくなったものだ。
なのに、なのにシャーロットは、、、感動。

エリザベス・テイラー?
世界的に有名な女優の一人。
7人の男性と8度の結婚生活。夫の暴力による流産や、夫の飛行機事故死。
自身の過食症や子宮摘出手術などを乗り越えドラマチックに生きて来た女性。

シーズン6エピソード20 – しあわせ探しの末に(An American Girl in Paris (Part Deux))

ミランダの義母が認知症になった。
ミランダの夫が留守の時に義母が家を出てしまい、ひとりで必死に義母を探すミランダ。
ようやく義母を見つけたが、路上のゴミ箱から漁って拾ったと思われる腐ったピザを食べていたのだ。
「このピザ、変な味がするのよ」と義母。

ミランダはやさしく義母を家に連れて帰りお風呂で背中を流す。
その様子をハウスキーパーのマグダが見守る。

マグダはミランダが独身の頃からハウスキーパーとして家に来ている女性。
めちゃくちゃドライな考え方で、子どもや結婚なんて頭になかったミランダの出産、結婚を見てきている人物である。

マグダは一息ついたミランダにこう伝えた
「偉いですよ。さっきのあなた愛がありましたよ。」と。

そしてミランダはマグダに「夫にはこのこと言わないで」と言う。
ここも好き。ここにも愛があるな。

この他にも更年期や癌治療、結婚・出産祝いをし続ける独身者のモヤモヤ、子育てしながらの働き方など、めっちゃ今までの人生であった・これからの人生で出会うであろう事柄がこのドラマで取り上げられていた。

きらびやかなニューヨークで起こる別世界の恋愛事情ドラマかと思いきや、結構リアルな女性の人生が描かれていたのである。

最終的にこのドラマを一言で言うと、
「なんでも話せる人、特に女友達がいると人生最高だな」

キャリーたちのように、結婚するしない、子ども産む産まない、妊娠不妊、働き方や今後の更年期などのこと、
なんでも話せて、尊敬し、意見を言い合える人がいれば、人生奈落の底に落ちようが、割と軽やかに這い上がって生きていけそうだな。

最初はキラキラ、ハイブランド、パーティー、自由な性生活のドラマかと思いきや、ええドラマやん!(特にシーズン4から)って思ったのでした〜

このドラマを見る機会を提供してくれたOVER THE SUNありがとう!
負けへんで〜

あさい

「OVER THE SUN」で「出てくる男性役で誰が好き?」と言う話題があったが、私はスーさんと同じくハリーとスティーブが好き!

さくら

OTSで盛り上がっていた時から気になってたけど、がぜん観てみたくなりました!!

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この記事を書いた人

浅井 千穂のアバター 浅井 千穂 浅井千穂写真事務所

1987年生まれ、兵庫県姫路市出身。10歳の頃にフィルムカメラと出会う。大学進学とともに滋賀県彦根市へ。卒業後も滋賀県に住みたいと思い、写真館に三年間勤務しながら長浜で暮らす。2013年に独立。家族のハレの日や風景を、ドキュメンタリー的に写真に残すことを中心に写真撮影を仕事としている。夫と娘と猫2匹、フトアゴヒゲトカゲと暮らしている。

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