日記「<伊香の画人たち>展に行ってきた」船崎桜

企画展「近江・伊香の画人たち~長浜市北部に花開いた画業~」を観に行ってきました。

長浜市高月町の「高月観音の里歴史民俗資料館」(高月支所のすぐ近く)にて、3月11日まで開催しています。

大人300円で入場できます。
常設されている湖北の観音さまの展示ももちろん観ることができます。こっちもおもしろかった。

目次

4人の伊香郡出身の画人

「伊香」というのは旧伊香郡のことで、滋賀県長浜市の北部、高月町、木之本町、余呉町のあたり。
我々イカハッチンプロダクションの「イカ」もここから取っています。海で泳いでいるイカではないのです。

この伊香の地域から多くの画人が生まれているそう。初耳です。
特に美術に詳しいわけでもないのだけど、絵を眺めたり絵にまつわることに「へぇ〜」となるのは好きなので、ふらりと立ち寄りました。

  • 橘雪嶹(たちばなせっとう・1743~1818)
  • 薮田月湖(やぶたげっこ・不詳~1856)
  • 小森竹塘(こもりちくとう・1855~1939)
  • 片山雅洲(かたやまがしゅう・1872~1942)

上記4人の画人の15作品が並んでおりました。

屏風や襖絵など大きな作品もあって迫力がありました。
人物が細かく描きこまれているものがいくつかあって、人物の表情や顔のつくり、服装などがいろいろで楽しい。女性が玉虫色の口紅をつけていたり。「あーこの人はこの人のお付きの人かな」と妄想が膨らんだり。

それと湖北で盛んだった、今も残る「糸取り」の様子を生き生きと描いた絵馬もありました。1839年の作だそうですが、現在でも長浜市・大音での糸取りはほぼ同じ形で続いています。改めて感動しました。

ガマこと片山雅洲が好きでした

個人的な好みは片山雅洲さんでした。

鬼神や達磨大師のグラデーションの入った豊かで迫力あるタッチ、だけど憎めない(あんまり怖くない)雰囲気がよかったです。

そして最後の「印譜」という作品。これが最高でした。

この方落款マニアだったそうで、自分がコレクションしたのであろういろーんな形・大きさの印が押され、その印をカエルが運んでいるという図が描かれています。
大きな四角いのを高々と持ち上げるカエル。丸いのを転がしているカエル。ちっちゃいのを小脇に抱えるカエル。

かわいすぎる。グッズがあったら欲しい。

「印譜」(片山雅洲)のカエルはこんな感じだったはず…。

こんな感じのカエルがたくさんいました。…いたんです。
イメージ図ですので、関係者の方、怒らないでください。
本当にこんな感じだったのか確かめるためにも、ぜひ現地へどうぞ。

そしてさらにいいのが、この片山雅洲さん、床に紙を広げて這いつくばって描く姿から「ガマ(ガエル)」というあだ名をつけられていたらしいのです。
本人も気に入って、「画魔」という別号を名乗ることもあったとな。
絶対おもしろおじさんだったんだろうな〜、と失礼な感想とともに親近感を持ちました。

そんな個性豊かで面白い作品が並ぶ展覧会、個人所有のものが多かったのでじっくり眺めるチャンスは今だけ。
もう間もなく終わってしまうので、地元の皆さま、行ってみてくださいね〜〜。

(こちらの資料館には観音ガール・對馬ちゃん制作の「湖北ほとけのたより」も置かれていますので、お立ち寄りの際には要チェック!)

えりこ

荒井も行ってきたよ!良い展示だった〜。カエルたくさんいたね。わたしは「岩城桝屋前」の親子がわかりみ深かったな。(2024年3月11日)

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この記事を書いた人

ライター/ 地域おこし協力隊(移住促進担当)
埼玉県本庄市出身。大学卒業後、新聞記者として社会福祉、司法、厚生労働省、東日本大震災などの取材を6年間経験。その後マーケティング系IT企業広報を経て、2021年夏に滋賀県長浜市へ移住。限界集落の古民家で夫、犬、猫と暮らす。サッカーと落語が好き。1991年生まれ。

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