勝手にイカレビュー #02 木之本・高月エリア『スーパーマーケット』事情

私にとって「スーパーマーケット」は生活の中のかなり重要なポジションにある。移住先を決めるとき、「自然豊かなところがいい。でも、20分以内にスーパーマーケットがないところには住みたくない」と条件に挙げるくらいスーパーマーケットはかかせなかった。映画館も欲しい、寄席だって見たい、ライブハウスにも通いたい。でも我慢している。だが、スーパーマーケットなしの生活なんて耐えられない……。そういえば、後輩の船崎さんが移住先を検討しているとき「結構山奥の集落でも平気です」といってのける彼女に、「ほんとに? スーパーなくても平気なの!!?」「え?そこ? スーパーまで20分以上かかるよ?」としつこいくらい何度も確かめた。それほど、スーパーマーケットは私の中では重要度が高い存在なのだ。

もちろん、木之本は最高の田舎だ。20分以内に行ける(私の住まいの大音集落から)スーパーマーケットが3つもある。『平和堂 木之本店』、『ザ・ビッグ 高月店』、『パワーズ 高月店』。人口規模的に経営はだいじょうぶなの??と、勝手に心配していたのに、なんと昨年10月、『業務用スーパー 高月店』がオープンした!!!!!

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木之本・高月は「スーパーマーケット戦国時代」に突入!!!

そう。今や、木之本・高月は「スーパーマーケット戦国時代」となってしまった。
いずれのファミレスチェーンも参入しないような田舎に、大規模なスーパーが4店舗だ。スーパーマーケットが大好きな私には超うれしいにほかならないが、どこかが撤退してしまったらどうしよう。どのスーパーも好きなんだ。どこにもそれなりの良さがある。

そこで、木之本・高月エリアのスーパーマーケットの特色を(超独断と偏見に従って)勝手にレビューしていきたい。

①平和堂 木之本店 

滋賀県といえば『平和堂』だ。前職で県外から大津へ赴任した時、先輩から「道に迷ったら、平和堂の近くに駅がある」と教えられた。運転免許証の所持率よりも、平和堂の「HOPカード」のほうが所持率が高いのが滋賀県民。HOPポイントは、貯めるとなんと現金と交換できる。100円(税抜)で1HOPポイントが貯まり、貯まったHOPポイントは、1000HOPポイントごとに現金1000円に交換できるのだ。現金だぜ…? すごいよ、平和堂。
という訳で、平和堂の最大の魅力は、全県的に存在する平和堂グループ全店で共通の「HOPポイント」が貯まるところ。
また、木之本店ならではの特徴といえば、お隣福井や滋賀・湖北地域で食される大豆の乾燥食品「打ち豆」や、冬場の郷土食「ニシンの麹漬け」を仕込むために必要な「身欠きにしん」の木箱入りなど、地域の食文化をつなぐのに必要な食材がしっかりとそろえられているところだ。
その他にも、地元の老舗「つるやパン」の「サラダパン」や「ダイコウ醤油」の各種醤油、「みつとし本舗」の「丸木舟」などの取り扱いもあり、お土産を気楽に買っていくのにも便利。地域密着ぶりは頭一つ飛びぬけている感がある。
お値段設定は、他スーパーより少しだけ高い。その分「平和堂で買ってきたやつだから」といえば地元では品質を保証されているかんじの雰囲気を出せる、気がする。知らんけど。

②ザ・ビッグ 高月店

とにかく売り場が広い。品数が多い。そして、安い。何か必ずほしいものがあるときには、ここに行けばおおかた見つかる。 イオン系列なので、プライベートブランド「トップバリュー」関連の商品も充実している。庶民に優しいスーパーマーケットだ。
お肉コーナーは、夕方になると割引シールが貼られていることが多い。食品ロスから地球を救う「地球防衛軍 木之本支部」の隊員としては、シールが貼られたお肉を救出するため、その時間帯にパトロールに出かけることはやぶさかではない。
あと、期間限定のインスタント食品や変な(?)企画のお菓子が入口前に大量に積まれていて、これがとてもお財布にやさしく、ロシアンルーレット的に買うのが楽しい(←失礼)。

③パワーズ 高月店

愛知県小牧市に本社がある「三河屋」が運営するスーパーマーケット。調味料や乾麺、ヨーグルトなどの定番商品の品ぞろえが他店とは一風変わっていて、お値段がちょっと高くても、興味をそそられて手が伸びる。また、コストコと提携しているらしく、BIGなスイーツや大容量のパン類、お総菜などがイベント的に販売されていて、それも人気だ。
個人的には、鮮魚コーナーとお総菜コーナーが魅力的。お魚を買うときには、パワーズを選ぶことが多い。あと、お総菜コーナーのピザがおいしい。
前述の「ザ・ビッグ 高月店」の並びにあるため、時間があるときには、両者転戦して回ることもある。そういうお客さんは多いらしく、「あ、ビッグでも見かけた人だ…」とお互い心の中で思いながら、パワーズですれ違うことも少なくない。
そして、パワーズ利用者ならきっと気になっていると思う。昨年くらいから、店内放送がなんかちょっとおかしい。お兄さんのアナウンスが陽気すぎて、無駄に聞き入ってしまう。マイクを持つのがどのお兄さんなのか特定したい。そのほか、パワーズはレジに飴ちゃんがドウゾと置いてあったり、箱ミカンの時期になるとミカン箱で作った謎の鳥居?が出現したりと、購買意欲に関係あるのかどうかは謎なイベントが出現しがちで、気が抜けない。きっと、パワーズファンの中には、そんなところにいとおしさを感じている顧客も少なくないはずだ。

④業務用スーパー 高月店

「業務用スーパー」、略して「業スー」。昨年10月、ビッグ、パワーズの並びに、突如オープンした新興の雄だ。長浜市街地にはすでにあった。わざわざ30分かけて、業スーに行くために長浜へ出かけていた私は、業スーが高月にできると情報を得た時には、歓喜に震えた。

何が良いって、業スーは私にとっては、もはやエンターテインメント。神戸物産が仕入れる世界の食材が、日本の辺境にいる私を世界各地とつないでくれる。
冷凍コーナーに並ぶ商品の裏を見て、まずチェックするのは「原産国」。「このクロワッサンは、フランス産」「あら、このフォンダンショコラはベルギーからだわ」「パニーニ、あなたイタリアからわざわざっ」。みなさんようこそ、日本へ!!!
おいしいか、おいしくないか。それはもはやそんなに大きな問題ではない。ランチタイムにおしゃれなお店にいくことさえ、ままならない日々。ましてや、円安。世界旅行なんて、今世で実現するのかしら。そんなプロレタリアなわたしに、世界各地の食材を自宅で楽しむ優雅なひとときを1000円以内で体験させてくれる業スー。アンタ、最高だよ。

以上、戦国時代へ突入した木之本・高月エリアのスーパーマーケットを独断と偏見でレビューしてきたが、本当にどのお店も、みんな違って、みんないい。だから、みんな欠けることなく生き残ってほしいと思う。ぜひみなさん、買いまわって応援してね。

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この記事を書いた人

丘峰喫茶店/出版社能美舎

1986年生まれ、埼玉出身。新聞記者として神戸、佐賀、滋賀に赴任し、2016年退職。同年8月、がんを患い寝たきりとなった友人から、聞き書きした旅行記『「がん」と旅する飛び出し坊や』を制作したことがきっかけで版元に。長浜市へ移住後に喫茶店を開店。1児の母。

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