馬に興味が湧きました

ここ数年で私の周りにうまに関わる(関わっていた)人が現れた。
ジョッキーを目指している女の子、競走馬育成牧場で働いていた夫、馬を飼っている女性だ。

正直なところ今まで「馬」というと私の大好物(だった)「馬刺し」が頭に浮かんでいた。

というのも私が小学生だった頃忘れられないとてつもなく些細な出来事があったからだ。

家族旅行先でひとり彷徨っていたら真っ黒な牛と目があった。
スーパーで赤いお肉としてみるあの牛だ。
前触れもなく突然私は牛と1対1でじっと見つめあったのだ。
その時「怖い」と思ってしまった。

写真は北海道で出会った乳牛たち

私は動物全般大好きだ。
猫2匹と爬虫類を飼っていて可愛い。
ただ日ごろ命をいただいている鳥豚牛に関しては「可愛い」という感情はなぜか持ってはいけないなと、その日から思い始めたのだと思う。

大人になり「馬刺し」というものを口にしたときに「美味しい!」と思った。
そこから「馬」というと家畜のイメージがついた。
もしくは遠い世界、私が関わることのないであろう乗馬や競馬の馬たちであった。

それがここ2〜3年で馬に関わる人たち関わることが増え、馬に対する感じ方が変わった。

そんなに大して馬に知識があるわけでもなく、特別関わっているわけでもない私が「馬」に関するコンテンツをもつのも恥ずかしい話だが、文字と写真で残してみようと思う。

目次

ジョッキーを目指す小学生

よく会う小学4年生の女の子が乗馬を習い始めた。
はじめて聞いた時、私の世界にはなかった言葉が出てきたのでびっくりというか、全然ピンと来なかった。

見てみたいと思い、乗馬の練習場へ行くとたくさんの元競走馬たちとポニー、そして乗馬を習う人たちがいた。

そこで私ははじめてサラブレッドを見た。
なんて大きくて、目が綺麗で、筋肉ムキムキなんだ!

そして「馬は臆病だから大きな音は出さないで」と言われて、
こんなに大きいのに臆病で、人の言うことを聞いて不思議な生き物だなーと思った。

最初、女の子はポニーに乗っていた。
ポニーと言っても小学4年生が乗るとなかなか立派な大きさなので、
振り落とされないかヒヤヒヤした。

そんな女の子がJRAが主催する子供たちによるポニー競馬競走「ジョッキーベイビーズ」に参加することとなった。
しかも関係者として一緒に行けることになった。
会場はなんと中京競馬場だ。
プロのJRAの馬たちが走るコースを走るのだから、夢のようなレースである。

そこでは小学4年生~中学1年生のジョッキーたちがポニーと人馬一体となり駆けていく。
私は女の子を3歳から知っており、こんな大きな会場で堂々としている姿に涙が出そうになった。

この時は小学6年生

残念ながら1位にはなれなかったが、とてもいいものを見せてもらい感謝しかなかった。

相棒のポニーと一緒にいる姿は小学生の姿には見えず、好きなことに一生懸命な一人の女性の姿だった。

そして今、彼女はサラブレッドに乗っている。
振り落とされてもめげずに乗っている。

下記のURLからレースの様子が見れます。
https://www.jra.go.jp/company/racing/jb/2023/qualify.html#area4

北海道、馬をめぐる旅

私の夫は北海道にある競走馬育成牧場で20年ほど働いていた。

競走馬育成牧場とは、競走馬が人を乗せれるようにトレーニングしたり、現役の競走馬がリフレッシュするところである。
(内容は幅広いのでザクっとこんな感じだと思う)

馬に興味が湧いていた私は夫と一緒に夫の元職場をめぐる旅、北海道へ向かった。

まずは襟裳にあるハフリンガーを育てている牧場へ。
このハフリンガーという種類の馬は、サラブレッドの赤ちゃんを育てる馬だ。
つまり乳母に向いた気質の馬だ。
毛色は金色でとても美しく優しい馬だった。

ハフリンガーの赤ちゃん

その後は日高にある競走馬育成牧場へ。
たくさんの現役競走馬たちがいた。
筋骨隆々としていてとても美しい。
そして馬に乗る人たち、お世話をする人たちがたくさんいて驚いた。
生産者がいて、そこから馬を買う馬主がいて、
育成牧場などで働く調教師、騎手、厩務員や、
装蹄師や獣医師などなど。
馬の周りには常に人がたくさんいる。

育成牧場をあとに向かったのはばんえい競馬場。
体重1トンを超える馬たちが鉄ソリを引いて競い合う競馬だ。

一直線のコースをスタートと同時に観客たちも馬と一緒に応援しながら駆けていく。
サラブレッドの競馬とは違う楽しみ方があった。

夫と出会い競馬を知り、レースで馬が倒れて振り落とされたジョッキーが馬を気遣ったり、
馬が引退して子どものように泣きじゃくったりする姿をテレビ越しに見た。
馬に関わる人たちは馬が好きで馬と関わり、馬を愛しているのだな、と素人ながらに思った。

引退馬・在来馬

北海道では引退馬たちと持続可能な暮らしを追求するご夫婦のところへもお邪魔した。
ノースポールステイブル ☆アトリエ鼓動」さんである
「こ、これは、馬と人との最終的な最高の暮らし方じゃないか!」
と、馬の仕事をしたこともないし、牧場に数時間しか滞在していないにも関わらず感動してしまった場所である。

広い敷地内を馬やポニーたちが自由に小屋と広場を行き来している。
今まで見た牧場では馬房にそれぞれ馬1頭がいることが多かったが、馬それぞれが好きなように過ごしている。
1頭で休憩していたり、グループで団子になっていたりだ。

そんな馬たちを見ているだけでとても幸せな気持ちになった。

さてさて、ここまでは競走馬について書いてきたが、馬には在来馬という種類がある。

日本の在来馬は、北海道に北海道和種(道産子)、長野県木曽地域を中心に木曽馬、愛媛県今治市に野間馬、長崎県対馬市に対州馬、宮崎県に御崎馬、鹿児島県にトカラ馬、沖縄県宮古島に宮古馬と与那国島に与那国馬、8種類がいます。
(出典: 日本公益社団法人 日本馬事協会)

滋賀県では近江八幡市にある「御猟野乃杜牧場(みかりののもりぼくじょう)」さんで出会うことができる。
一度牧場を訪ねてみた時には確か木曽馬やその赤ちゃんたちがいた。
サラブレッドのように大きくシュッとしておらず、なんともずんぐりとした愛着の持てる姿だった。
また牧場だけでなく、賀茂神社内馬場における和式乗馬演武や和式乗馬体験会もしておりいつか体験してみたい。

宮崎県の最南端・串間市にある都井岬で出会った「御崎馬(みさきうま)」


長浜ではブルトンと道産子のミックスの馬とポニーを飼っている女性がいる。
「星の馬works」だ。

2020年12月から馬を飼い始め、女性一人で馬と暮らし、馬と仕事すること目指し現在奮闘中だ。
私は3年ほど前からちょこちょこお邪魔し、馬たちと触れ合わせてもらっている。

馬と人、常に関わり合って生きている。
馬にも個性があり、幼いと色々教えなければいけない。
一人で2頭の馬と暮らし、喜びや困難などが色々あると思う。
そんな馬と一緒に前を向いて暮らしている女性を見ていてとても興味が湧き知っていきたいと思った。

今後1年を通して追っていければなと思う。


勝手におすすめ馬コンテンツ!
ドキュメンタリー映画『今日もどこかで馬は生まれる』
競走馬、引退競走馬について中立的に描かれており、色々考えさせられる映画です。
競馬に興味があれば一度は見ていただきたい映画。



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この記事を書いた人

浅井 千穂のアバター 浅井 千穂 浅井千穂写真事務所

1987年生まれ、兵庫県姫路市出身。10歳の頃にフィルムカメラと出会う。大学進学とともに滋賀県彦根市へ。卒業後も滋賀県に住みたいと思い、写真館に三年間勤務しながら長浜で暮らす。2013年に独立。家族のハレの日や風景を、ドキュメンタリー的に写真に残すことを中心に写真撮影を仕事としている。夫と娘と猫2匹、フトアゴヒゲトカゲと暮らしている。

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